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2011年5月30日月曜日

スマートフォンの本質って?

なぜまたケータイが急速に廃れ、スマートフォンの時代になりつつあるのでしょうか。でかいケータイのくせに。なぜスマートフォンの前身ともいえるPDAがかつて廃れ、ケータイが全盛を誇り、そして今、スマートフォンがケータイを駆逐しつつある本当の理由はなんなのでしょうか。

スマートフォンは「シェア(共有)」というこれまでにない経験を可能にしてくれます。正確に言うと、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSが、あるいはEvernoteやPicasaなどのクラウドサービスが、人類がこれまで体験したことのないレベルでの「シェア」を可能にし、スマートフォンはその「シェア」をいつでもどこでも可能にするための中心的なデバイスなのです。これこそが、スマートフォンが単にでかくて使いにくいケータイではない理由です。スマートフォンの本質、その魅力の中心はここにあるのです。(続く)

2011年5月22日日曜日

INFOBARは10年前からスマートフォンだった?

ちょうど10年前の今日、2001年5月22日に発表されたコンセプトモデルinfo.barが、今、KDDIデザイニングスタジオに展示されています。このコンセプトモデルが基になって最初のINFOBARが誕生しました。
最新のINFOBAR A01に受け継がれているタイル状のキーは、一つ一つ好みの色に変えることができる想定でした。タイルキーは、押しやすさだけでなく「ひとと同じものを持ちたい。でも、ひとと少し違うものがいい。」という誰もが持っている矛盾した欲求を満たす仕組みとして考えられたのでした。INFOBAR A01に搭載されているユーザーインターフェイス、iida UIの特長の一つは「自分好みにカスタマイズできる」こと。コンセプトモデルinfo.barの時の思いと一緒です。
オレンジ色の袋は、info.barはチョコバーみたいだから、ケースもチョコバーのパッケージみたいだったらいいねということで当時作られた洒落の効いた一品w


そしてこれがinfo.barの裏面。今のスマートフォンの先がけともいえるP D A( 携帯情報端末)として使うことができる想定でした。右半分のオレンジ色のエリアには「ホーム」とか「検索」とか「メニュー」のアイコンがありますね。アイコンのすぐ左横のスペースはスタイラスペンで手書き入力するためのエリアです。
「今夜の飲み会だけど」となんだか妙にリアルなテキストが入力されているところが表示エリアで、メールだけでなく、ウェブに地図に動画などなど、今日のスマートフォンでできてるようなことが可能な想定でした。表側の右上にカメラレンズがあるので、写真を取る時はこちら側をファインダーにして撮影します。AR(拡張現実)の概念もこの頃からあったので、例えば表参道を歩きながらこの画面越しに通りを見ると、それぞれのお店の前にエアタグ(当時はそんな言葉はなかったですが)が浮かんでいて... なんてことも考えていました。でも、TwitterやFacebookのようなSNSの興隆は、当時全く想像できていなかったですね。
ということで、info.barの裏面に盛り込まれた構想は、INFOBAR A01で現実のものとなったのでした。コンセプトモデルinfo.barの成り立ちについて、もう少しご興味のある方は、下記を覗いてみて下さい。発表当時の画像も!

デザインケータイの10年: プロトタイプinfo.bar ―2つの文化、2つの感性の合流 ―


2011年5月20日金曜日

INFOBAR ― レゴで作られた最初の形 ―

今から10年前、INFOBARはこのレゴブロックからスタートしました。最初のプレゼンテーションの時、プロダクトデザイナー深澤直人さんから出てきたのがこのレゴブロック。思いがけないレゴの登場に驚き、笑い、そして「そう、欲しいのはこういうケータイ!」と心震わせたのでした。もちろんこの時はまだ「INFOBAR」なんて名前はありませんでした。

このレゴ、5月18日から原宿のKDDIデザイニングスタジオで展示しています。僕が後から適当に作ったものでなくて、10年前、実際に深澤さんがプレゼンで使用したもの。これまでずっと大切に保管してたのですが、今回、INFOBAR A01の発表を記念して初公開です!あ、でも、本当は深澤さんの娘さんのものだったはず。。。(汗)

2011年5月19日木曜日

INFOBARがスマートフォンになりました。


2011.5.17  INFOBAR A01 発表!

INFOBAR A01で撮影した発表会の様子。

歴代INFOBAR、夢の共演!

2011年5月16日月曜日

ミラノサローネ2011「番外」編 / "Some memorable topics" in Salone del Mobile 2011

最後に、これまでのレポートからはみ出てしまったけれど、印象的だったものを。

MAGIS "Bunky" 
Marc Newson
今年のMagisは多作!いろいろ面白いものが。
これはマーク・ニューソンが手がけた子供用ベッド。
マークらしくてとてもいいですね!


MAGIS "MY FIRST OFFICE" 
MARTI GUIXE
マルティ・ギシェによる子供用家具、MY FIRST OFFCE。
子供の時から、こんな家具があったら最高ですね。

MAGIS "PINGY" 
Eero Aarnio
エーロ・アール二オのPINGY。ただもう、かわいい!

MAGIS "Magis Proust" 
Alessandro Mendini
樹脂になって登場。本家は100万円超えですが、こちらは安価?


植物ディスプレイ
CASSINA(カッシーナ)で見つけた瓶詰めのフェイクな
植物ディスプレイ。素敵&簡単にマネできそう!


BOTANICA
studio FormaFantasma
Spazio Rossana Orlandiで行われた
エキシビションの解説

「BOTANICAコレクションで展示されているモノは、私たちが生きている石油をベースとした時代が無かったかのようにデザインされている。まるで歴史家たるスタジオ・フォルマファンタズマが、前ベークライト時代を調査し、植物あるいは動物由来原料から抽出された天然高分子による思いも寄らぬテクスチャーや感触そして技術的な可能性の数々を発見したかのようだ。」

THE OBJECTS DISPLAYED IN THE BOTANICA COLLECTION ARE DESIGNED AS IF THE OIL- BASED ERA, IN WHICH WE ARE LIVING, NEVER TOOK PLACE. ALMOST AS IF HISTORIANS, STUDIO FORMAFANTASMA INVESTIGATED THE PRE-BAKELITE PERIOD, DISCOVERING UNEXPECTED TEXTURES, FEELINGS AND TECHNICAL POSSIBILITIES OFFERED BY NATURAL POLYMERS EXTRACTED FROM PLANTS OR ANIMAL-DERIVATIVES.



Kartel
Kartelのブースはいつも趣向が凝らされているけど、今年はこんな感じ。
50年代アメリカ的なネオンサインの踊るディスプレイが楽しい。





2011年5月15日日曜日

ミラノサローネ2011「日本」編 / "JAPAN DESIGN" in Salone del Mobile 2011

日本勢はどんな様子だったのか紹介したいと思います。今年は、お馴染みの顔ぶれに加えて、これまでになく若手建築家の活躍が目立った年でした。

Canon
桐山登士樹さんがプロデュースするキャノンの今年の展示は、
若手建築家ユニット、トラフと映像制作集団WOWが手がけました。
僕も敬愛するトラフとWOWの合作あれば傑作間違いなし。
ということで、この展示はミラノサローネで最も優秀な展示
贈られるElita Design Award」金獅子賞を受賞しました。
場所はSUPER STUDIO PIU。
建築で水平を取るために使う「水糸」を貼ったところに
WOWによる映像を投射。
この角度で見ると、映像が立体的に見える!
トラフの名作「空気の器」のインスタレーション。
キャノンのプリンターを使って柄を印刷したバージョン。

KANEKA
総合化学メーカー、カネカの展示は有機EL照明を使った
インスタレーション。日本の酒場がテーマとか。
この展示もトラフが手がけています!
場所もSUPER STUDIO PIU、キャノンのとなり。



TOSHIBA
東芝ライテックは、LEDのストロボライトで明滅する
雨の幻想的なインスタレーション。水の香りが印象的でした。
トルトーナ地区、サヴォーナ通り。


JUNYA ISHIGAMI
こちらは建築家・石上純也さんと藤本壮介さん、そして平田晃久さん
による映像インスタレーション。トルトーナ地区。

こちらはイタリアのキッチン・バスブランドBoffi(ボフィ)での
石上純也×ピエロ・リッソー二のインスタレーション。



JYO NAGASAKA
素敵な&大きなお眼鏡に適った日本人は建築家・
長坂常さん。エポキシコーティングによる
美しいテーブルFlatTable。

 TORAFU
そしてもう一人、ロッサーナおばさん素敵な
&大きな白いお眼鏡に適ったのは、TORAFUの
空気の器!今年のミラノはTORAFUだらけw


SHIGERU BAN 
エルメスのホームコレクションの展示。建築家・坂茂
よる紙筒の展示パヴィリオン。


nendo

nendoの個展で見つけたTV石のフォトフレーム。TV石好きな
僕としては是非欲しい一品!TV石って、よくお土産で売ってる、
下の文字とか模様が浮き出してみえる石のことです(正式名は
ウレキサイト、自然のものと人工のものがあります。お土産屋
さんで売ってるのは人工です。)

半透明の木材風テーブルもよかったです。

KARIMOKU
柳原照弘さんがクリエイティブディレクターを務める
KARIMIOKU NEW STANDARD。今年は写真家・鈴木心さん
とのコラボレーションによる展示。



Kom & Co.
小牟田啓博さん率いるKom&Co.は、イタリアのPCバッグメーカー
TUCANOで、モバイルアクセサリーブランドJUNIJUNIと
TUCANOの新しいラインYellow Lineを発表。

Ichiro Iwasaki
イタリアの家具ブランド、arper(アルペール)では
岩崎一郎さんの新作PIXを展示。

Naoto Fukasawa
ALESSIから発表された深澤直人さんによる調理道具SHIBAシリーズ。
展示パネルには深澤さんが調理する姿が!


大理石の家具を手がけるMarsotto Edizioniマルソット・エディツォ
ーニ)では、プードルと名付けられた椅子(ミニテーブル?)が。
たしかにプードルっぽいw
NAVAからはN-bagの新作が発表されました。
従来のファブリック製から革製に。



こちらはMagisの製品。掛け時計と鳩時計。
イタリアのキッチン・バスブランドBoffi(ボフィ)の製品。
広島の家具メーカー、マル二木工はミラノ・トリエンナーレで
エキシビジョン。深澤さんとジャスパー・モリソンさんの作品を展示。
今回、深澤さんはミラノを訪れなかった。代わりに日本の震災に
関するメッセージをジャスパー・モリソンさんと共に。
募金してくれた方に配られるカード立て。椅子の脚部分を
カットして製作したもの。
SIWA±0の展示はSpazio Rossana Orlandiにて。
SIWA製の募金箱。

Tokujin Yoshioka
MOROSOから発表された吉岡徳仁さんの新作MOON。MOROSOのショー
ルームで行われた美しいエキシビション「TWILIGHT-Tokujin Yoshioka」。
MOONには様々な素材のバリエーションが。
こちらは半透明樹脂のタイプ。
展覧会のタイトル、吉岡さんのサイン付き。
こちらはフィエラの会場で展示されていたMOONのカバー。
宇宙っぽい。サーマルブランケット風?