デザインケータイの10年:インターネット革命とデザインブーム
インターネット元年と言われ、Windows95が発売された1995年は、90年代後半からゼロ年代へと続くデザインブームの起点となった年でもある。インターネット革命&デザインブームという世界的な潮流。そして同時期のポスト団塊ジュニアによるコミュニケーション革命&「カワイイ」カルチャーというドメスティックな潮流。これまで何度か述べたように、90年代後半の日本における情報文化&感性を巡る2大潮流の合流点にデザインケータイは誕生した。
90年代後半からゼロ年代にかけて「デザイナーズ家具」や「デザイナーズマンション」、「デザイン家電」そして「デザインケータイ」等など数多くの「デザイナーズ●●」「デザイン●●」を生み出したデザインブーム。国内における一連のデザインブームのとりあえずの起点が、1995年に発売された『BRUTUS』の特集 “イームズ/未来の家具”(1995年6月1日号)。アメリカを始め海外におけるミッドセンチュリーモダン再評価の流れを受け、藤原ヒロシ、NIGO、高橋盾といった裏原宿系のファッションデザイナーたちがイームズ作品のコレクターとしてイームズブームを先導した。1995年の僕自身は、この流れにそれほど関心がなかった。けど当時の記憶を辿ると僕が勤めていた映像制作会社、インターネットを活用した仕事にも手を出し始めていたその会社の小さなスタジオの一角には、確かにイームズのラウンジチェアとオットマンが置かれていた。それはきっと社長がブームに乗じて買ったものだったに違いない。イームズブームは、東京都美術館で「イームズ・デザイン展」が開催された2001年に最盛期を迎える。このイームズブームを契機にミッドセンチュリーモダンの家具だけでなく、広くインテリアデザイン、プロダクトデザインが注目されるようになる。
そもそも90年代後半以降のデザインブームが起きたベースは、80年代後半から90年代前半におけるDTPソフト(QuarkXPressやPagemaker)、グラフィック系ソフト(IllustratorやPhotoshop)、マルチメディアオーサリングソフト(Director)の発達によるグラフィックデザインやマルチメディアタイトル製作、それに続くウェブサイト製作の興隆にある。Macとそれらのソフトがあれば、誰もがデザイナーになれる(と言われた)時代の到来。スティーブ・ジョブスが返り咲く前の低迷期のAppleとはいえ、他のPCのデザインよりもはるかに秀逸なGUIと洗練されたプロダクトデザイン、そこから生み出される味わったことのないクリエイティブな体験。Appleによるグラフィック、マルチメディア革命の中から、東泉一郎、若野桂、タイクーングラフィクス、groovisions、TGB design. といったデザイナー、デザイン集団が登場し、これまでにない新鮮なビジュアル表現を展開した。いずれも廃刊となっているが『GURU』(1994年創刊)『WIRED JAPAN』(1994年創刊)のようなデジタルカルチャー誌、「Design Plex」(1997年)のようなデジタルデザイン誌を開けば、デジタルとデザインが掛け合わさって新しい表現が次々と誕生した当時の興奮が蘇ってくる。
こうしたファッションやグラフィックの文脈の中から、ミッドセンチュリーブームが生まれ、ゼロ年代のデザインブームへと繋がっていく。80年代後半バブル期におけるCIブームの文脈で、ルイジ・コラーニやフィリップ・スタルク、マリオ・ベリーニといった海外デザイナーが活躍した時代を経て、再びプロダクトデザインが注目を浴びるようになったゼロ年代のデザインブーム。それはプロダクトデザイン業界から発出したブームではなく、ファッションやグラフィックの世界からやってきたのだった。
90年代後半からゼロ年代にかけて「デザイナーズ家具」や「デザイナーズマンション」、「デザイン家電」そして「デザインケータイ」等など数多くの「デザイナーズ●●」「デザイン●●」を生み出したデザインブーム。国内における一連のデザインブームのとりあえずの起点が、1995年に発売された『BRUTUS』の特集 “イームズ/未来の家具”(1995年6月1日号)。アメリカを始め海外におけるミッドセンチュリーモダン再評価の流れを受け、藤原ヒロシ、NIGO、高橋盾といった裏原宿系のファッションデザイナーたちがイームズ作品のコレクターとしてイームズブームを先導した。1995年の僕自身は、この流れにそれほど関心がなかった。けど当時の記憶を辿ると僕が勤めていた映像制作会社、インターネットを活用した仕事にも手を出し始めていたその会社の小さなスタジオの一角には、確かにイームズのラウンジチェアとオットマンが置かれていた。それはきっと社長がブームに乗じて買ったものだったに違いない。イームズブームは、東京都美術館で「イームズ・デザイン展」が開催された2001年に最盛期を迎える。このイームズブームを契機にミッドセンチュリーモダンの家具だけでなく、広くインテリアデザイン、プロダクトデザインが注目されるようになる。
そもそも90年代後半以降のデザインブームが起きたベースは、80年代後半から90年代前半におけるDTPソフト(QuarkXPressやPagemaker)、グラフィック系ソフト(IllustratorやPhotoshop)、マルチメディアオーサリングソフト(Director)の発達によるグラフィックデザインやマルチメディアタイトル製作、それに続くウェブサイト製作の興隆にある。Macとそれらのソフトがあれば、誰もがデザイナーになれる(と言われた)時代の到来。スティーブ・ジョブスが返り咲く前の低迷期のAppleとはいえ、他のPCのデザインよりもはるかに秀逸なGUIと洗練されたプロダクトデザイン、そこから生み出される味わったことのないクリエイティブな体験。Appleによるグラフィック、マルチメディア革命の中から、東泉一郎、若野桂、タイクーングラフィクス、groovisions、TGB design. といったデザイナー、デザイン集団が登場し、これまでにない新鮮なビジュアル表現を展開した。いずれも廃刊となっているが『GURU』(1994年創刊)『WIRED JAPAN』(1994年創刊)のようなデジタルカルチャー誌、「Design Plex」(1997年)のようなデジタルデザイン誌を開けば、デジタルとデザインが掛け合わさって新しい表現が次々と誕生した当時の興奮が蘇ってくる。
こうしたファッションやグラフィックの文脈の中から、ミッドセンチュリーブームが生まれ、ゼロ年代のデザインブームへと繋がっていく。80年代後半バブル期におけるCIブームの文脈で、ルイジ・コラーニやフィリップ・スタルク、マリオ・ベリーニといった海外デザイナーが活躍した時代を経て、再びプロダクトデザインが注目を浴びるようになったゼロ年代のデザインブーム。それはプロダクトデザイン業界から発出したブームではなく、ファッションやグラフィックの世界からやってきたのだった。
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